
こんにちは、navaです。
私はずっと、まわりに迷惑をかけないように、ずっと気をつかってきました。そんな毎日を送っていたら、あるとき心も体もぷつんと糸が切れたように動けなくなってしまいました。
今回のお悩み
- 誘われたら断れない
- 本当は疲れているのに「大丈夫」と笑ってしまう
- つい相手に合わせて、自分がどうしたいのか分からなくなる
もともと私は、HSP(繊細)として、人の気持ちや空気を敏感に感じ取りやすいタイプです。
そのぶん……
- 断ること
- 本音を伝えること
が、とてもむずかしく感じていました。
この記事は、
そんな私が少しずつ“本音を伝える練習”を重ねながら、気持ちがラクになっていった過程を綴ったものです。同じように悩むあなたにとっても、心がすこし軽くなるヒントになるのではないかなと思います。
なぜHSPは断れない?本音を言えない理由
共感力の高さが“断ること”のハードルを上げる
HSP(繊細)の人は、生まれつき共感力が高く、相手の感情や空気の変化にとても敏感です。
そのため、
- 「断る」=「相手をがっかりさせる」「悲しませてしまう」
と、無意識のうちに感じやすい傾向があります。
私も以前は……
どれだけ予定が詰まっていても「誘ってくれるなんてありがたいこと」と思って、すべてを引き受けていました。本当は少し休みたい日でも、「断ったら悪く思われるかもしれない」と怖くて、つい笑顔でOKしてしまっていた”過去”があります。


HSP(繊細)さんは、
- 「相手の期待に応えたい」
- 「人を困らせたくない」
という思いが強いため、自分の疲れや違和感に気づいていても、それを“後回し”にしがちです。
- 嫌われたくない
- 迷惑をかけたくない
- 場の空気を壊したくない
そんな思いが重なって、気づけばいつも“人に合わせる”側にまわってしまっている……
一度引き受けてしまうと、「あの人なら頼めばやってくれる」と周囲に思われやすく、さらに断りづらくなってしまう、という“悪循環”も起こりがちです。
やがて、自分の気持ちを後回しにすることが当たり前になり……
- 「私は本当はどうしたいんだろう?」
と、自分でもわからなくなってしまうことも…そうやってがまんを重ねていくうちに、心はどんどん疲れていき、「また無理してしまった…」という自己嫌悪でさらに自信をなくしてしまいます。
そしてついには……
- 誰かと会うのが怖い
- また誘われたら断れないかも
と、人間関係そのものが負担に感じてしまうようになるのです。
「空気を壊したくない」という無意識の思い込み
HSP(繊細)の人は、周囲の雰囲気や人の表情・声のトーンなど、細かな変化にとても敏感です。
そのため……
- 場の空気がピリついているかも
- 今この話題は避けたほうがいいかな
といったことにすばやく反応し、無意識のうちに“場を保つ役割”を引き受けてしまうことがあります。
とくに職場や学校などの集団の中では……
- 自分の発言で雰囲気が悪くなったらどうしよう
- この空気に逆らったら浮いてしまうかも
そんな不安から、つい自分の意見や気持ちを飲み込んでしまいやすくなります。


また、HSP(繊細)さんは“調和”をとても大事にする傾向があるため、
- 「対立=悪いこと」
- 「意見を言う=波風を立てること」
と感じてしまいがちです。
結果として、自分の考えを伝えるよりも、「場を壊さない」ことを優先してしまうのです。でも、そうやってがまんを続けていると、心の中には少しずつモヤモヤがたまっていきます。
- 本当はこう思ってたのに言えなかった
- また自分の気持ちを無視してしまった
そう感じるたびに、心のエネルギーは少しずつ削られていきます。
そしていつしか、
- 自分を出すのが怖い
- 話さないほうが楽
と感じてしまうようになることも……
HSP(繊細)さんが本音を言えなくなる背景には、「自分の気持ちよりも“場の平和”を守ろうとする、強い責任感や思いやり」があるんです。
本音を隠し続けると、心がすり減ってしまう理由
自分の気持ちがわからない状態に陥るリスク
HSP(繊細)さんは、もともとまわりの空気や人の気持ちにとても敏感なぶん、「自分がどう感じているか」よりも「相手がどう思うか」に意識が向きやすい傾向があります。
わたし自身も以前は……
- 「何がしたい?」
- 「本当はどう思ってる?」
と聞かれても、うまく言葉にできませんでした。


それは、自分の気持ちを後回しにして、ずっと“まわりに合わせてきた”からこそ……
- 「相手を不快にさせたくない」
- 「迷惑をかけたくない」
そんな気持ちから、いつしか自分の感情にフタをしていました。
その状態が長く続くと……
- 「本当はどうしたいのか」
- 「今、何を感じているのか」
がわからなくなり、心と体のギャップがどんどん広がっていきます。そして気づいたときには、心が疲れきっていたり、体調を崩してしまったり……
実際にわたしも、ある日突然、体がだるくて起き上がれなくなったことがありました。
そのとき初めて、「ああ、私は自分の本音を置き去りにしてきたんだ」と気づきました。“自分の気持ちがわからない”という状態は、HSP(繊細)さんにとって深い疲れのサイン……自分でも気づかないうちに、限界を超えてしまっていることがあります。
心のエネルギーを守るための“境界線”とは?
HSP(繊細)さんは、人に頼まれると「断れない」、誰かの期待に気づくと「応えなきゃ」と感じてしまう傾向があります。
本当は疲れていても……
- 申し訳ない
- 嫌われたくない
という思いが先に立ち、自分の気持ちより相手を優先してしまうことが多いんです。その結果……無理をして予定を詰め込んだり、誰かのフォローに回りすぎたりして、気づけば自分のエネルギーがすっかりすり減ってしまう。
わたしも以前は、少しでも誘われたら断れず……
- 行かなきゃ
- 応えなきゃ
と無理をしてしまっていました。


頭では「しんどい」とわかっていても、「断ること」に罪悪感を感じてしまい、自分の本音を押し込めてしまっていました。でもその“優しさ”が続くほど……自分の心のエネルギーは削られていきます。
相手との境界線があいまいなまま無理を重ねていくと、やがて心も体も「もう無理…」と限界を迎えてしまいます。“誰かを優先するあまり、自分を後回しにする”。
これもまた、HSPさんが疲れやすい理由のひとつです。
HSPが安心して本音を伝えるための3ステップ
STEP1|心と体のサインに気づく習慣をつける
HSP(繊細)さんは、人に気をつかいやすいぶん、自分の心や体の疲れに気づくのが少し遅れがちです。
まわりに合わせて頑張りすぎてしまい……
- いつの間にか心がパンパン
- 体が限界
なんてこともよくあります。
だからこそまず大切なのは、“自分の内側に起きている小さな変化”に気づくことなんです。
たとえば…
- 誰かと話したあと、急にどっと疲れた
- 明日の予定を考えるだけで、お腹がキュッと痛くなる
- 何もしていないのに、やたらと心がざわつく
そんな感覚があるときは……心や体が「もうちょっと休ませて」とサインを出しているかもしれません。


おすすめなのは、そういったときの感覚を、スマホのメモや手帳に簡単に記録しておくこと。
- どんな場面で
- どんなふうに感じたか
- 体にどんな反応があったか
これを少しずつ書きとめていくだけで、自分にとっての“無理しがちなパターン”が見えてくるようになります。
- 「こういう話題は気疲れする」
- 「このタイプの人と会うとエネルギーが奪われる」
そういった気づきが増えていくと……本音を伝える前に“自分が本当にどう感じているか”を確かめる習慣が身についていきます。
自分の声に耳を傾ける力は、「やさしく境界線を引く力」の土台になります。
STEP2|やさしく断る“クッション言葉”を準備する
HSP(繊細)さんにとって、「NO」と伝えるのは、とても大きなハードルです。
- 「相手を傷つけたらどうしよう」
- 「嫌われたら困る」
そんな不安が頭をよぎって、言いたいのに言えない……という経験をした方も多いのではないでしょうか。
私も以前は……ただ「ムリです」と伝えるだけでも、心臓がドキドキしてしまうくらい緊張していました。でも、あるときからやさしく気持ちを伝える“クッション言葉”を使うようにしたことで、伝えたあとの罪悪感がずっと減ったんです。
たとえば、こんなふうに言い換えてみると…
- 「ありがとう、でも今日はひとり時間にしたい気分なの」
- 「ごめんね、今はちょっと余裕がなくて」
- 「誘ってくれて本当にうれしいけど、今回はお休みさせてね」
- 「今は休むことを大事にしてる時期で…また声かけてもらえたらうれしいな」
どれも、“感謝”や“やわらかさ”を含んだ伝え方なので、相手との関係を守りながら自分の気持ちを伝えることができます。


そして、「本音を言っても受け入れてもらえるんだ」という安心体験が増えると、少しずつ自己肯定感も育っていきます。特に信頼できる相手には、「自分の気持ちをちゃんと大切にする練習をしてるんだ」と正直に打ち明けてみるのもおすすめです。
むしろ応援してくれたり、より深い信頼関係につながることもあります。
“クッション言葉”は、自分の気持ちを守りながら相手にもやさしく寄り添える魔法のフレーズ。あらかじめいくつか準備しておくだけで、心がぐっとラクになります。
STEP3|安心できる相手から練習してみる
本音を伝えることに慣れていないときは、いきなり難しい人間関係の中で挑戦しようとすると、心に大きな負担がかかってしまいます。
とくにHSP(繊細)さんは、相手の反応を想像して不安になりやすいため……
- 「伝えてみたけど、冷たく返されたらどうしよう…」
- 「こんなこと言って、重いと思われないかな…」
と、伝える前から心が疲れてしまうことも少なくありません。
だからこそ大切なのは、まず“安心できる相手”との間で、小さく練習してみること。
たとえば…
- 気のおけない家族
- なんでも話せる親しい友人
- あなたの気持ちを大切にしてくれる人


こうした相手には、
- 「今日はちょっと疲れてて…また今度でもいい?」
- 「自分の気持ちを大切にする練習をしていて…ちょっと勇気がいるんだけど」
と、やさしい言葉で少しずつ気持ちを伝える練習をしてみてください。
相手があなたの本音を受け止めてくれると……
- 「伝えても大丈夫だった」
- 「ちゃんと理解してもらえた」
という小さな成功体験になります。その一歩が、次の人間関係でも「自分の気持ちを伝えてもいい」という自信へとつながっていきます。
少しずつ、少しずつ。あなたが安心できるペースで、「本音を伝える」ことを体になじませていけばいいんです。
よくある質問(Q&A)
- 本音を言ったら嫌われないか心配です…
-
やさしく伝えれば、大丈夫なことのほうがずっと多いです。
本音を言うことに対して、
- 「嫌われたらどうしよう」
- 「気まずくならないかな」
と不安になる気持ち、私もずっと抱えていました。
でも、実際にやさしく気持ちを伝えてみたら……
- 「そう思ってたんだね、教えてくれてありがとう」
- 「ちゃんと話してくれて安心したよ」
そんなふうに、思いがけず温かく受け止めてもらえたことが何度もありました。
本音を受け止めてもらえたというだけで、心がふっと軽くなって、「伝えてよかった」と心から思えたんです。最初はすごく怖かったけれど、ちゃんと伝えたことで相手との関係が深まった実感がありました。その経験は、私にとってとても大きな安心になりました。
- NOと言ったあとに罪悪感でつらくなります…
-
NOを伝えたあとの罪悪感は、少しずつ軽くなっていきます。
最初はどうしても、
- 「私だけわがままなんじゃないか」
- 「断ったら嫌な人だと思われるかも」
と不安になってしまうものですよね。
私も同じように、断ったあとに頭の中がぐるぐるして、何時間も落ち込んだことがありました。
でも、あとになって気づいたんです。
その罪悪感の正体は、
- 「相手の期待に応えなきゃいけない」という思い込み
- 「いい人でいなきゃ」という無意識のプレッシャー
から来ていたんだと。
何度か「やさしく断る」経験を重ねていくうちに、
- 「断ったからといって関係が壊れるわけじゃなかった」
- 「むしろ、自分を大切にできたことで、心に余裕が持てた」
そんなふうに思えるようになってきました。
今でも罪悪感がゼロになるわけではありません。でも、「あ、これは昔の思考パターンだな」と気づけるようになったことで、自分を責めすぎずにすむようになりました。
まとめ|本音を本音を伝えることは、あなた自身を大切にするやさしい選択です
HSP(繊細)さんが
- 「断る」
- 「本音を伝える」
ことに悩んでしまうのは、それだけまわりへの思いやりが強いから。
でもそのやさしさが、自分の気持ちを後回しにし続けてしまうと、心は少しずつすり減ってしまいます。
だからこそ、まずは「自分の声に気づくこと」から。
そして、「やさしく伝える言葉」を用意して、「安心できる相手」から小さく練習していく……その一歩一歩が、あなたの心に“境界線”という名の安心スペースをつくってくれます。



私自身、今でもうまく言えない日もあります。
でも、「自分の気持ちに正直でいたい」と思えるようになっただけで、以前よりずっと生きやすくなりました。
どうかあなたも、今日この記事の中から「これならできるかも」と思ったことを、ひとつだけでも試してみてください。
あなたのやさしさが、ちゃんとあなた自身にも向かいますように。
そして、少しずつでも「伝えることがこわくない自分」に出会えますように。