なんだか生きづらい…その理由がわかった日

こんにちは、navaです。
私はずっと、人混みが苦手だったり、大きな音にびくっとしてしまったり、誰かの機嫌にすぐ気づいて気をつかってしまったりと、日常の中で心がぐったりしてしまうことがよくありました。
- 「どうしてこんなに疲れやすいんだろう?」
- 「なんだか生きづらいな…」


そんな漠然とした違和感を抱えていたある日、心と体の不調が続くようになり、「もしかして自分はうつ病なのかもしれない」と思ってネットでいろいろ調べはじめました。
その中で偶然目にしたのが、「HSP(Highly Sensitive Person)」という言葉でした。
あまり聞き慣れない言葉でしたが、気になって読み進めてみると、書かれている内容がまるで自分のことのようで、驚きと同時に、少しホッとした気持ちになったのを覚えています。
さらに、ネットで見つけたHSPに関する診断テストを5つほど試してみたところ、どれも自分にぴったり当てはまりました。



「これ…まさに自分のことじゃないか」
そう感じた瞬間、それまで正体のわからなかった“生きづらさ”に、ようやく名前がついたような気がしたのです。“この気質を持つ人が他にもいる”と知って、『自分だけじゃないんだ』と思えたことが、何よりの安心材料になったのだと思います。
同じころ、心身の状態が限界に近づいていた私は、病院を受診し「適応障害」と診断されました。現在は抗不安薬を服用しながら仕事を続けています。気分が沈む日は早退したり、定期的に通院しながら、無理のないペースで生活を整えているところです。


「『また休んだの?』なんて思われたらどうしよう」と不安になりながらも、心が限界だったあの日。勇気を出して上司に相談し、早退したことを今でもよく覚えています。
あのとき、「無理しないでいいよ」と言ってもらえたことで、少しだけ肩の力が抜けた気がしました。
HSPとは?|調べてたどり着いた、“敏感すぎる自分”の正体
“Highly Sensitive Person”の略で、音・光・匂い・人の感情など、外部からの刺激を人一倍強く感じ取りやすい気質を持った人のことを指します。
この概念は、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士によって提唱されたもので、人口のおよそ5人に1人が該当すると言われています。
HSPの特徴とは?
自分自身で調べていく中で、HSPには以下のような特徴があることを知りました。
- 相手の表情や声のトーンの変化にすぐ気づく
- 騒がしい場所や人混みにいると、どっと疲れる
- 他人の感情に引きずられやすい
- 映画や音楽に強く感情移入する
- 繊細な音やまぶしい光が気になって集中できない
- ひとりの時間がないと心がすり減ってしまう


こうした特徴を見て、「これはまさに自分のことだ」と深く納得したのを覚えています。そして、「HSP診断」と検索して、チェックリストをいくつか試してみたところ、すべてが自分に当てはまりました。
HSPは病気ではない
ここで大切なのは、HSPは「病気」や「障害」ではなく、生まれ持った“気質”であるということです。
ただ、この気質があることで、日常の中で強い刺激を受けやすく、疲れやすさや落ち込みやすさにつながることもあります。だからこそ、自分の性質を正しく知ることが、「どうしてこんなに疲れるんだろう?」という疑問や不安から抜け出す第一歩になるのだと思います。


「HSP」という言葉に出会ったことは、私にとって自分を責めることをやめるきっかけになりました。自分を知ることで、少しずつ心が軽くなる……そんな経験を、次のパートでお話ししていきます。
なお、この記事を書くにあたっては、以下の情報を参考にしました。
HSPについて正しく知ることで、自分自身への理解が深まり、「このままの自分でも大丈夫なんだ」と思えるきっかけになれば嬉しいです。
HSPを知ることが、ラクになる第一歩
「HSP」という言葉に出会ってから、私の中でいちばん大きく変わったのは、“なんとなく生きづらい理由”に納得できたことでした。
これまでの私は、自分の疲れやすさや落ち込みやすさを
- 「弱いからだ」
- 「気にしすぎ」
- 「もっと頑張らないと」
と、自分を責めてばかりいました。でも、それは性格ではなく、「気質」だったと知ったことで、初めて「だからつらかったんだ」と自分に優しくなれた気がします。
無理しないための選択肢が増えた
HSPの傾向を知ってからは、自分の特性に合った行動が少しずつ選べるようになってきました。
- 疲れているときは、予定を詰め込まない
- 人混みを避けて静かなカフェでひと息つく
- イヤホンや耳栓を使って音の刺激を減らす
- ひとり時間をしっかり確保する


それまでは「がんばるのが正解」だと思い込んでいたけれど、自分を守るために“がんばらない”選択をしてもいいんだと気づけたんです。たとえば、早起きしてまだ静かな街を歩く時間は、頭の中がスーッと整理されて心が楽になります。
自分の取扱説明書を手に入れるような感覚
HSPを知ることは、「自分はこういうタイプなんだ」と理解することでもあります。まるで、自分の“取扱説明書”を少しずつ手に入れていくような感覚です。
- どんなときに疲れやすいのか
- 何をすると気持ちが落ち着くのか
- どこまで無理ができるのか


それがわかってくると、必要以上に傷ついたり、無理したりすることが少しずつ減っていきました。完璧じゃなくていい。疲れる前に休んでもいい。そう思えるようになったことで、心の緊張がふっとゆるんだように感じています。


このように、「HSPを知る」というのは、自分に優しくなるための第一歩なんだと思います。
気質を理解することは、変わることではなく、「今のままの自分で大丈夫」と思えること。
それだけで、ずいぶんラクになれるものです。
HSPとしての毎日
私なりの付き合い方と考え方の変化
HSPという言葉に出会う前と後では、私の中で「自分に対する見方」が大きく変わりました。
同じように繊細な感覚を持っていても、“どう受け止めるか”で、心の負担はまったく違ってきたのです。
ここでは、HSPという気質を【知る前】と【知った後】で、私の考え方がどう変わっていったのかを振り返ってみます。
人混みや大きな音が苦手だった私
知る前
「こんなことで疲れるなんて、自分は弱い」と、責めてばかりでした。


たとえば、休日にスーパーへ買い物に行くだけで、人の多さや店内のざわざわした雰囲気、アナウンスやBGMの音に圧倒されてしまい、買い物を終える頃にはどっと疲れてしまうことがよくありました。「なんでこんなことでこんなに消耗するんだろう…」と、自己嫌悪に陥ることもありました。
知った後
「これは“刺激に敏感な気質”なんだ」と知ってからは、なるべく人が少ない時間帯を選んで買い物に行くようにしました。また、毎回同じお店を利用して、商品の場所を把握しておくことで、短時間で済ませられるよう工夫。さらに、スマホの【買い物リストアプリ】を使って事前に必要なものを整理しておくことで、店内で迷う時間も減り、スムーズに買い物を終えられるようになりました。
刺激をできるだけ減らすことで、外出後の疲れ方もずいぶん軽くなったと感じています。
人の機嫌に振り回されてしまう
知る前
「いつも他人の感情に左右されて、自分の気持ちがどこかへいってしまう…」そんな風に感じて、ぐったりしていました。


工場で働いていると、まわりの空気や雰囲気のちょっとした変化に敏感に反応してしまい、「今日はなんだかピリピリしてるな」と感じるだけで、無意識に緊張してしまったり、必要以上に気をつかって疲れきってしまうことがよくありました。
知った後
「相手の変化に敏感なのは自分の力。でも、それにすべて応えなくてもいい」そう思えるようになってからは、周囲との接触を最小限にし、自分のペースを優先するように意識しています。
必要以上に会話をせず、挨拶や業務上のやりとりだけにとどめたり、空気が重たく感じる日には、自分の内側に意識を向けることで、気持ちを保てるようになってきました。
「合わせすぎないこと」が、今の自分にとって大切なセルフケアのひとつです。
考えすぎて落ち込みやすい
知る前
「なんでこんなにくよくよするんだろう…もっと明るくなれたら楽なのに」と、自分を否定してばかりいました。


たとえば、職場で誰かのちょっとした言い方や表情が気になってしまい、「もしかして嫌われたのかな」「何か悪いことを言ったかもしれない」と、その出来事を何度も思い返しては落ち込んでしまう…。
周りは気にしていないような場面でも、自分の中では頭の中でぐるぐると反省会が止まらず、一人で勝手に疲れてしまうことがよくありました。
知った後
「深く考えられるのは自分の強みでもある」と受け入れるようになってからは、心がざわついたときには信頼できる人に相談するようにしています。
誰かに話を聞いてもらうだけでも、「自分だけじゃなかったんだ」と感じられて、気持ちが少しずつ落ち着いていくのを感じます。
ひとりの時間がほしいのに、罪悪感があった
知る前
- 「誘いを断ると悪く思われそう…」
- 「ちゃんと付き合わなきゃ」
と、無理に人に合わせてしまっていました。


特に会社主催の定期的な飲み会は断りづらく、気をつかいすぎてぐったりしてしまうことが何度もありました。「行きたくないな」と思っても、空気を読んで無理に参加し、帰宅後にどっと疲れる…そんな繰り返しでした。
知った後
「ひとりの時間があるから、人ともうまく付き合える」
そう考えられるようになってからは、無理に人に合わせず、自分の体調や気分を優先して行動するようになりました。
現在は、治療に専念するためにも、必要以上の付き合いは避け、静かな時間の中で心を整えることを大切にしています。
おわりに
HSPという言葉に出会う前の私は、
- 「なんでこんなことで疲れるんだろう」
- 「自分は弱いのかもしれない」
そんなふうに、自分を責めてばかりいました。
でも、「これは気質なんだ」と知ってから、少しずつ自分に優しくできるようになりました。人混みを避けたり、ひとりの時間を大切にしたり、無理しない選択肢を持てるようになったのです。
とはいえ、今も私は適応障害の治療を続けながら、HSPという気質について学び、自分自身と向き合っている途中です。不安になったり、落ち込んだりする日もあります。
だからこそ、この記事を読んでくれたあなたと、
- 「ひとりじゃないよ」
- 「一緒に少しずつ進んでいこう」
そんな気持ちを分かち合えたらうれしいです。


完璧じゃなくていい。
疲れたら、立ち止まってもいい。
今の自分を、少しずつ受け入れていけますように。